ジェームズ・コミー氏が犯したミス、法的懸念、情報セキュリティの堅調な成長、その他コンファレンスでの注目すべき話題について記載します。

OpenText Enterprise Worldが近づくにつれて、前回の(私にとっては初めての)OpenText Enfuse®コンファレンスを振り返りたくなります。私が注目した中でも、ジェームズ・コミー氏によるリーダーシップについての講演や、州下級判事によるプライバシーのこれからについての議論、業界の現状についてのセッションは非常に刺激になり、1週間休みを取ってIAPP CIPP認定を取得する動機付けになりました。

1. ジェームズ・コミー氏が最も重要な裁判で負けた


ジェームズ・コミー氏は、Enfuseでの基調講演でミスを認めたこと(具体的には、スノーデン事件の影響が残る中で暗号化への対処の仕方でミスを犯したこと)から話を切り出しました。

サンバーナーディーノ銃撃乱射事件の悲劇が起きた後、FBIが押収したセキュリティロックされたiPhoneから証拠を取り出そうとしたことを思い起こしてください。

捜査の支援を求める過程で持ち上がった論争は、Wikipediaのまるまる1ページがこの論争についての記述に費やされるほどになりました。

彼のリーダーシップにおけるミスとは、共通のテーマを見つけようとせず、まだ始まっていないうちから会話を終わらせようとしたそのやり方にあると、コミー氏は説明を続けました。これは、法の及ばない生活の領域が確保されることになる場所に私たちが向かっているという、コミー氏のもう一つのテーマ(むしろ戒めに近い警告)と結びつきました。(詳しくはまた後ほど)

OpenText取締役副会長、CEO兼CTOのMark Barrenecheaが壇上のコミー氏に加わってなごやかに談話を行いました。話題は、フェイクニュース、ポスト・トゥルース時代、難しい決断の実行、監視社会の時代、ソーシャルメディア、そして選挙干渉に及びました。

しかし、私が最も印象を受けたのは、新人の検察官をサポートするだけの不運なケースで次席に就いた、コミー氏の最も重要な裁判についてのエピソードです。

私は若い弁護士として、@Comey氏のこの話を高く評価します>>彼の最重要裁判の一つは、どうやっても負けるであろう新人検察官をサポートするために次席に就いたことです。若手専門家にとってこれは非常に大きな差を生み出します。@EnfuseCon #OpenTextEnFusepic.twitter.com/M7Th4M8HLy

— Adam Kuhn (@AHKuhn) 2018年5月23日

コミー氏は基調講演のかなりの部分を、リーダーシップのスタイルに当てました。ボディーランゲージの重要性と、状況の違いに敏感であることの重要性、「インポスター症候群」、そしてリーダーと部下の間におけるコミュニケーション力学について、詳細に語りました。

皮肉なことに、FBI在職中には起立をやめさせようとしたコミー氏でしたが、Enfuseではスタンディングオベーションを受けることになりました。

2. 下級判事もプライバシーに注目している


Enfuseの法務討論会とコミー氏の基調講演のテーマは、共にプライバシーに対する懸念であり共通していました。

討論会ではニューヨーク、ニュージャージー、フロリダから来た現役または引退後の州下級判事が集まり、OpenTextのプロダクトマーケティングディレクター(Discovery)Hal Markusが議長を務め、OpenText™ EnCase™ eDiscoveryフォレンジック調査、プライバシーについて議論を繰り広げました。

最初の議題は、IoT、ソーシャルメディア、スマートフォンに関して発展するeDiscoveryとフォレンジック問題を判事はどう見ているかということでした。

監視と相互につながるデジタル生活にまつわる社会規範の進化に法はどのように対処するのか?60~80年代からの基礎となる修正第4条および第5条判例法はまだ通用するのか、使い続けるべきか?#OpenTextEnfusepic.twitter.com/sbFsRuDkRP

— Adam Kuhn (@AHKuhn) 2018年5月23日

判事たちが見るところによると、多くの弁護士が、携帯電話の収集に関連する潜在的なフォレンジック問題を見つけるのがうまくなっており、早い段階で裁判に専門家を招いています

どの判事もまだインターネットに接続された冷蔵庫が証拠として認められたケースを実際に見てはいませんが、さまざまなIoTデバイスは目にしています。その中で最先端を行くのが、自動車のGPSと通行料金のデータです。

しかし、私の目を引き、多くの聴衆から質問が出たのは、修正第4条に関する議論でした。判事たちは核となる憲法を聴衆に説明する時間をとり(例えばKatz対アメリカ合衆国、Smith対メリーランド州、カリフォルニア州対Greenwood)、プライバシーへの期待に関するベースを確立してから、カーペンター対アメリカ合衆国の件で合衆国最高裁判所の目前で現在保留になっている問題を含め、将来の問題についての議論を行いました。

3. eDiscovery分野は今も堅調だが、情報セキュリティとプライバシーが伸びている


    GDPRの施行から48時間もたたないうちに、TRU Staffing PartnersのJared Coseglia氏が業界の状況に言及しようとしたのは当然のことです。

    Coseglia氏の熱のこもったプレゼンテーションは、実際のデータに裏付けられた仕事のトレンドに関する興味深い内容でした。情報セキュリティ分野の採用スピードは十分ではないが、eDiscoveryでは上級幹部職の募集はほとんどなく、契約スタッフが新しい標準となり、ほとんど均衡状態に達しています。

    情報セキュリティに参入したければ資格を取るのはいい方法です。CSXP、CSAC、OSCP、EnCEといった資格は特にニーズがあります。

    採用担当者から見て重視している求職者の#cybersecurity資格は: #csxp、#csac、#oscp、@EnCase認定(#ence、#encep、#csfr)#OpenTextEnFuseライブより pic.twitter.com/VsTJMIMcCA

    — Adam Kuhn (@AHKuhn) 2018年5月23日

    当然、資格の重要性については私も同感ですが、移住に関するデータがより重要だと思いました。

    生活コストが低く高い生活の質を維持できる都市に居を置こうと、ますます大勢の経験豊富な求職者が、サンフランシスコやニューヨークなどの大都市圏を去りつつあります。

    これは、いくつかの分野が均衡に達したとしても、実績のある専門家はコストの低い都市からリモートワークをすることができるという理屈です(これで家を購入できるようになるので実質的な賃上げです)。しかし、経験の少ない休職者が職を求めて大都市に集まる傾向は続くでしょう。

    いつかまたこのような機会に…


    Enfuseでは他にも、ウォルマートのeDiscoveryチームによるハンズオンラボOpenTextMagellanチームによるAI支援の予測調査ソリューションなどの質の高いコンテンツがありました。

    幸い、Enterprise Worldでも、eDiscovery分野の討論会や重要な法務テクノロジーの課題に取り組むブレイクアウトセッションが設けられます。データについて弁護士と話をする方法をお知りになりたい方は、7月10日~12日にカナダのトロントで開かれるEnterprise Worldにぜひお越しください。

    弁護士が企業よりもいち早くAIを導入している理由を理解することができますし、OpenTextのエキスパートやクライアントと一緒に実際と同様のスマートフォンとEメールを使った調査に参加することもできます。